2025年3月25日
妊娠中に歯が痛くなったり、歯ぐきが腫れたりした場合、「赤ちゃんへの影響が心配」と感じることもあるでしょう。でも、妊娠中でもお口のトラブルは起こり得ます。その場合、痛み止めや治療が大丈夫なのか不安になりますよね。今回は、妊娠中の歯科治療について説明します。
妊娠中の期間について
妊娠中には、「安定期」という言葉があります。安定期とは、妊娠5ヶ月(16週)以降の時期のことを指します。この時期になると、流産のリスクが減り、つわりも落ち着くことが多いからです。ただし、安定期は臨月まで続くこともあり、定義は少し曖昧です。
妊娠中は、妊娠初期(16週未満)、妊娠中期(16〜28週未満)、妊娠後期(28週以降)に分けられ、安定期はその中でも重要な時期です。
痛み止めについて
歯の痛みを和らげるために痛み止めを服用することがありますが、妊娠中は注意が必要です。歯科医院でよく使われる痛み止めには「ロキソニン」や「ボルタレン」がありますが、これらは胎児に影響を与える可能性があるため、妊娠中は避けたほうがよいとされています。代わりに、「カロナール」という痛み止めが処方されることが多いです。これは比較的安全性が高く、妊婦さんにもよく使用されている薬です。
抗生物質について
妊娠中に使用できる抗菌薬(抗生物質)には、セフェム系やペニシン系などがあります。これらは比較的安全に使用でき、歯茎の腫れなどがひどくなる前に処方されることがありますので、ご安心ください。
歯科麻酔について
治療の際に麻酔を使用することがありますが、妊婦さんが痛みを我慢するほうが、胎児に負担がかかることがあるため、必要に応じて麻酔を使用します。歯科で使う麻酔は局所麻酔(特定の部分にだけ作用するもの)ですので、全身麻酔のように体全体に影響を与えることはありません。安心して治療を受けてください。
レントゲンについて
歯科でのレントゲンは、放射線量が非常に少なく、通常は胎児に影響を与えることはほとんどありません。また、胸部より下の部分は防護服を着ることで、さらに安全性が高まります。
お口のトラブルは、妊娠中でも急に起こることがあります。何か心配なことがあれば、いつでもご相談ください。