2025年3月21日
歯の神経って?
歯の中には痛みを感じる神経が通っています。この神経は「歯髄(しずい)」と呼ばれています。
人の体にはたくさんの神経がありますが、例えば目の神経は「ものを見る」ため、舌の神経は「味を感じる」ために働きます。それでは、歯の神経はどうでしょうか?
実は歯の神経は、痛みを感じることが主な役割です。だから、大きなむし歯ができたり、歯が割れたりすると、ズキズキと痛んでしまいます。
なぜ神経を取る必要があるのか?
むし歯が深く進んで、歯髄が露出してしまうと、痛みが強くなります。放っておいても痛みが治ることはありません(ただし、歯髄が壊死してしまうと痛みが和らぐこともあります)。こんなとき、歯髄を取り除いて、歯髄が入っていた管をきれいに消毒するのが「根管治療(こんかんちりょう)」です。この治療で炎症を取り除き、痛みを和らげることができます。
でも…
できれば歯の神経は取らずに済ませたいですよね?だからこそ、痛みが出る前に歯医者さんでチェックを受けることが大切です。そして、定期的にメンテナンスを行うことで、予防をしっかりと進めていきたいと思っています。
さらに、むし歯が大きくても、神経を取らずに治療できる方法もあります。条件が整えば、神経を温存できる確率も高くなっています。
私たちは、1本の歯を大切に守ることに全力を尽くしています。
神経を取る治療は決して悪い治療ではなく、痛みを取り除くことが私たち歯科医師の重要な役目です。しかし、神経を取る治療は、再治療が必要になる可能性が高い治療でもあります。
そのため、患者さんにはこうした背景も知っていただき、質の高い治療を提供できるよう日々努力しています。