2026年2月21日

歯の詰め物や被せ物として長年使われてきた銀歯。
最近では「セラミック」という選択肢を耳にすることも増えてきました。銀歯からセラミックに替えると、実際にどのような変化があるのでしょうか。見た目の印象はもちろん、素材そのものの性質や使用感にも違いがあります。
この記事では、銀歯とセラミックの特徴を整理し、それぞれの素材がどのような性質を持っているのかを中心にご紹介します。費用や治療の流れ、どちらが良いかといった判断には踏み込まず、あくまで「違い」と「特徴」を知っていただくことを目的としています。
銀歯とセラミックの基本的な違い
銀歯は、正式には「金属修復物」と呼ばれます。
主にパラジウム合金や金合金などの金属材料で作られており、保険適用が可能なため、日本では長年にわたり広く使用されてきました。一方、セラミックは陶器の一種で、天然の歯に近い色や質感を持つ素材です。
銀歯は金属特有の強度を持ち、奥歯のように強い力がかかる部分でも使用できる耐久性があります。セラミックは、透明感のある自然な白さが特徴で、見た目の美しさを重視する審美歯科治療において広く採用されています。

素材の構成と特性
銀歯は金属合金で構成されており、主にパラジウム、銀、金、銅などが含まれます。
これらの金属は加工がしやすく、歯の形状に合わせて精密に作ることが可能です。セラミックにはいくつかの種類があり、オールセラミック、ジルコニアセラミック、ハイブリッドセラミックなどが代表的です。オールセラミックは100%セラミックで作られ、透明感が高く前歯に適しています。ジルコニアセラミックは人工ダイヤモンドとも呼ばれるジルコニアを使用し、強度が高いため奥歯やブリッジにも使用できます。
見た目の印象
銀歯は金属特有の光沢があり、口を開けたときに目立ちやすいという特徴があります。
特に光が当たると反射するため、奥歯であっても視認されやすい傾向があります。セラミックは天然の歯と同じトーンの白色に調整でき、歯の根元から先端にかけて自然なグラデーションを再現することも可能です。隣接する歯との色調を合わせることで、口を大きく開けても目立ちにくい仕上がりになります。
耐久性と経年変化の違い
銀歯は金属製のため、物理的な強度が高く、破損しにくいという特徴があります。
しかし、時間の経過とともに口腔内で錆びたり劣化したりする可能性があります。劣化により、銀歯と歯の間に隙間が生じやすくなり、そこから汚れや菌が侵入することで二次虫歯のリスクが高まります。
セラミックは陶器の一種であり、口腔内でほぼ劣化することがありません。色調や素材の変化も起こりにくく、長期間使用しても変色や摩耗が少ないという利点があります。ただし、強い衝撃が加わった場合には破損する可能性があるため、歯ぎしりや食いしばりが強い方は、ナイトガードやマウスピースの使用が推奨されます。

接着方法の違い
銀歯は歯と直接接着しておらず、間をセメントで埋める形で固定されています。
時間が経つとセメントが唾液の水分により溶かされることで、外れるリスクがあります。セラミックは接着剤で歯に直接接着するため、隙間が生じにくく、外れるリスクを軽減できます。歯としっかり一体化することで、菌が入り込むのを防ぎ、虫歯の再発リスクも抑えられます。
汚れの付着しやすさ
銀歯は表面に見えない小さな傷が多くあり、その傷の中に汚れが入り込みやすい性質があります。
汚れがつきやすいことから、銀歯の周囲は虫歯や歯周病のリスクが高まる傾向があります。セラミックは表面が滑らかでツルツルにコーティングされているため、プラークがつきにくく、歯との境目も清潔に保ちやすいという特徴があります。
歯茎や身体への影響
銀歯のような金属素材の被せ物を長年装着していると、金属イオンが徐々に溶け出し、付近の歯茎が黒ずんでくることがあります。
これは「メタルタトゥー」と呼ばれる現象で、一度黒ずむと元に戻すことが難しい場合があります。セラミックは金属を使用していないため、歯茎が黒くなる心配がありません。ただし、メタルボンドなどの一部に金属を使用した被せ物や、金属素材の土台を使用している場合は、セラミックでも歯茎が黒ずむケースがあります。
金属アレルギーのリスク
銀歯に含まれる金属成分が口の中で溶け、身体の中に取り込まれることで、人によっては金属アレルギーを引き起こす可能性があります。
症状としては口腔内の炎症や全身の皮膚炎が挙げられます。セラミックは金属を含まないため、金属アレルギーの心配がなく、身体にとっても優しい素材といえます。

生体親和性の違い
セラミックは生体親和性が高く、口腔内で異物感が少ないという特徴があります。
陶器の一種であるため、口の中で安定した状態を保ちやすく、長期間使用しても身体への負担が少ない素材です。銀歯は金属イオンの溶出や帯電により、周囲の組織に影響を与える可能性があります。
かわむら歯科で提供するセラミック治療
かわむら歯科では、患者様のニーズに合わせた幅広いセラミック治療を提供しています。
詰め物(インレー)では、セラミックインレーを用意しており、天然歯のような透明感がある自然な白さを再現できます。汚れや臭いが付きにくく、金属アレルギーの心配もありません。歯質との適合性が高く、歯と一体化するためむし歯を再発しにくいという特徴があります。
被せ物(クラウン)では、e-maxセラミッククラウン、メタルボンドセラミッククラウン、ジルコニアレイアリングクラウンなどを取り扱っています。e-maxセラミッククラウンは透明感のある自然な白さを再現でき、前歯に最適です。ジルコニアレイアリングクラウンは強度が高く、奥歯やブリッジにも使用可能で、金属アレルギーのリスクがありません。
ダイレクトボンディングとラミネートべニア
ダイレクトボンディングは、レジンというプラスチック素材で歯の形を修復する治療です。
短時間で天然の歯の色を再現でき、歯のすき間の改善や歯が欠けた部分の回復、変色歯の改善などに適用できます。ラミネートべニアは歯の表層面を薄く削り、セラミックなどでできた人工のエナメル質を接着する治療で、主に前歯の審美治療に有効です。透明感のある自然な白さを回復でき、クラウンよりも歯を削る部分が少なく済みます。

治療の流れ
かわむら歯科では、カウンセリング・診断、治療計画の立案、治療、完成、メンテナンスの5段階で治療を進めています。
患者様の希望を詳しく聞き、口腔内の状況を確認した上で、費用や治療期間を含めた治療計画を立て、同意を得てから治療を開始します。CTやマイクロスコープを使用した痛みに配慮した精密治療を提供し、患者様に寄り添った治療計画を提案しています。
まとめ
銀歯からセラミックに替えることで、見た目の自然さ、汚れの付きにくさ、歯茎への影響、金属アレルギーのリスクなど、さまざまな面で変化があります。
銀歯は強度が高く保険適用が可能ですが、経年劣化や審美性の面で課題があります。セラミックは自然な見た目と長期的な安定性が特徴で、身体にも優しい素材です。
それぞれの素材には特徴があり、患者様のニーズや口腔内の状況に応じて最適な選択肢が異なります。かわむら歯科では、保険適用から自費診療まで幅広い選択肢を用意し、患者様一人ひとりに合わせた治療計画を提案しています。
詳しい治療内容や費用については、ぜひお気軽にご相談ください。
著者情報
かわむら歯科 院長 河村 省吾

経歴
2005年3月 福岡県立明善高等学校理数科 卒業
2005年4月 九州大学歯学部 入学
2011年3月 九州大学歯学部 卒業
2011年4月 九州大学病院歯科医師臨床研修
2012年4月 医療法人瑞帆会むらおか歯科医院 勤務
2025年3月 かわむら歯科 開院
資格・所属学会
日本歯周病学会
経基臨塾会員
