2026年4月15日

根管治療の通院回数が気になる方へ
歯の痛みで歯科医院を受診し、「根管治療が必要です」と言われたとき、多くの方が「何回通えば終わるのだろう?」と不安を感じるのではないでしょうか。
根管治療は、むし歯が深く進行して歯の神経にまで達した場合に行う治療です。
強い痛みを伴うむし歯や、抜歯を勧められてしまうような重いむし歯でも、きちんと根管治療が行われれば、ご自身の歯を残したまま歯の機能を取り戻すことができます。
この記事では、根管治療の通院回数の目安や、治療期間が変わる理由について詳しく解説します。
根管治療とは?歯を残すための大切な治療
根管治療は、むし歯菌に感染した歯髄や細菌の固まりなどの汚れをきれいに取り除き、痛み・症状を抑えて歯の寿命を伸ばす治療です。
歯髄は血管を含む歯の神経で、歯根に通る管状の空洞である根管を満たし、歯の知覚と栄養供給を司っています。

むし歯が進行して歯髄にまで達すると、継続する痛みを伴ったり、何もしなくてもズキズキ痛んだりします。
さらに放置してしまうと歯髄壊死という歯髄(神経)が死んだ状態になり、温度刺激による痛みを感じなくなります。
細菌が歯の根に達すると、歯と歯槽骨(歯を支える骨)の間にある歯根膜に炎症が広がって根尖性歯周炎と呼ばれる状態になります。
根尖性歯周炎は、むし歯の放置によって起こることもありますが、過去に根管治療で神経を取った歯で起こることのほうが頻度として多いといえます。
根管治療の通院回数の目安
根管治療の通院回数は、前歯と奥歯で異なります。
また、初めて神経を取り除く場合と、再治療の場合でも回数が変わります。
前歯の初回治療:2〜3回程度
前歯は奥歯に比べて根管の数が少ないため、歯髄の除去や根管の洗浄・殺菌・薬剤の充填がスムーズにできます。
歯根の周囲に異変がなければ、根管治療自体は2〜3回で完了し、その後かぶせものの装着のために2〜3回通院すれば、治療が完了するケースもあります。
奥歯の初回治療:3〜4回程度
奥歯は前歯に比べて根管の数が多く、2〜4つほど根管があります。
根管の数が多いため、その分、根管の洗浄・殺菌・薬剤の充填などに時間がかかります。
そのため、根管治療自体の通院回数の目安は3〜4回、かぶせものを装着するための通院と合わせると5〜7回通院が必要です。

再治療の場合:回数が増える傾向
2回目以降の根管治療は、初回と比べて難易度が大幅に上がり治療に時間がかかるため、通院回数も多くなります。
再治療の場合、かぶせものを外し、根管に詰めた薬剤を取り除く処置が追加で必要です。
さらに、根管が再感染しているため徹底的に殺菌する必要があり、神経を取り除くことで歯がもろくなっているので、初回治療よりも精度の高い治療が求められます。
そのため、根管の数が少ない前歯でも根管治療に3〜4回、かぶせものの装着のために2〜3回通院しなければならず、通院回数はトータルで5〜7回が目安です。
根管の数が多い奥歯の再治療は難易度が高く、根管治療だけで4〜5回、かぶせものの装着を含めたトータルの通院回数は、6〜8回にもなります。
根管治療の期間はどれくらい?
根管治療の期間は、通院回数と通院間隔によって変わります。
治療の間隔は症状の程度によって変わりますが、消毒をしてから1〜2週間程度様子を見て、再度消毒のための薬を入れていくのが一般的です。
中に詰めている薬が効いており、唾液や細菌が浸透してしまう前に次の治療をする必要があるため、4週間以内には再診を受けることが推奨されます。
週1回通院の場合は1〜2ヶ月、2週間に1回の通院としている歯科医院の場合は2〜4ヶ月ほどの期間がかかります。
期間を開けすぎると細菌がまた入り込んでしまい、悪化する可能性があるため、期間を開けすぎないように治療していくことが大切です。
治療回数が変わる理由
根管治療の回数は、歯の状態や根管の形状によって大きく変わります。
ここでは、治療回数が増える主な理由を解説します。
根管が枝分かれしている
枝分かれしている根管の場合、全ての通り道を消毒するのに時間がかかるため、通院回数が平均よりも多くなる傾向にあります。
消毒が不充分だと、再感染を引き起こすため、慎重な処置が必要です。
なかには迷路のように複雑な形状をしている根管もあり、その場合は通院回数が大幅に増えるかもしれません。
根管がふさがっている
長期間にわたり虫歯にかかっていると、根管が石灰化して硬くなり、ふさがってしまいます。
根管治療後の感染を防ぐためには、少なくともふさがっている場所のうち開けられる部分まで開通させる必要があり、通院回数が増える要因となります。

見つかりにくい根管がある
根管の数は歯によって異なり、通常よりも多い本数の根管がある場合があります。
見つかりにくい根管がある場合、発見に時間がかかり、治療回数が増えることがあります。
根管がカーブしている
根管がカーブしている場合、器具が届きにくく、清掃や消毒に時間がかかります。
曲がりくねっている根管を掃除する際、ステンレスファイルでは硬すぎるために深部に入っていかずに、根管を傷つけてしまうことがありますが、ニッケルチタンファイルは超弾性の性質を持ち、曲がった根管に沿ってしっかり入っていきます。
根管を不必要に傷つけることなく、精密に歯髄の除去が可能です。
根管治療の流れ
根管治療は、以下のような流れで進められます。
1. 切削器具を用いてむし歯や被せ物を除去
まず、歯を削る器具(切削器具)を使ってむし歯や被せ物を除去し、汚染された根管内の歯髄を露出させ、処置をしやすくします。
このとき、神経が残っている状態であれば麻酔は不可欠となります。
再治療の歯であれば、詰め物や土台もすべて取り外します。
2. 手用器具を用いて感染歯髄を除去
次に歯髄を取り除いていきます。
再治療の場合は根管内に詰めた薬剤、根尖部に溜まった膿を取り除きます。
根管は非常に治療領域が細かく、構造が複雑なため、「ファイル」や「リーマー」という針のような専門器具を用いて、取り残しがないように徹底的に除去します。
続いて空洞になった根管を拡大していきます。
根管は一本の歯に対して複数本あり、前歯では1〜2本、奥歯では3〜4本に分岐しています。
分岐した根管をそれぞれ拡大していく必要があります。
3. 薬液による根管内の洗浄・消毒
汚染された歯髄などを器具で除去した後、薬液によって化学的に洗浄します。
また、空洞になった根管内に消毒薬を入れて仮の蓋をし、時間を置いて消毒します。
この工程を症状がおさまるまで何度か行います。
4. 根管充填
根管がきれいに清掃、消毒され、症状の改善が認められれば、充填剤を緊密に詰める根管充填(こんかんじゅうてん)を行います。
ガッタパーチャと呼ばれるゴム状の樹脂やMTAセメントで根管内をしっかりと無菌状態で封鎖し、細菌が再び侵入しないようにします。
5. 支台築造
抜髄や感染根管治療で神経を抜いた歯は、経年的に歯質が弱くなり、破折が起こりやすくなります。
そのため歯を金属や樹脂を用いて補強する支台築造を行います。
その土台に被せ物を付け、歯の形態及び機能を回復させて根管治療は終了です。
かわむら歯科の精密な根管治療
当院では、マイクロスコープ、歯科用CT、ニッケルチタンファイルといった、現在、根管治療に有用とされている設備(材料)や技術を積極的に導入し、より精密な根管治療を行っています。
マイクロスコープによる精密治療
根管治療で重要なのは精密性です。
縫い針程度の太さしかない根管内を掃除する治療であり、細かい処置の連続でミクロン単位の正確さが求められます。
当院では視野を20倍にまで拡大できる「マイクロスコープ」を導入し、より精密で確実な根管治療をめざしています。
これまで根管内部の治療は、歯科医師の「経験」や「勘」を頼りに手探りで行っていましたが、マイクロスコープの登場により、小さなものを大きく拡大して、1つ1つの繊細な処置を目で見て確実にできるようになりました。

歯科用CTによる正確な診断
歯科用CTは3次元の立体画像で歯のレントゲンを撮ることができる装置です。
根管は複雑な形状であるうえ、歯によっては数本に分岐しています。
根管の清掃・消毒を確実に行うためには、まず根管の構造や病巣の位置・大きさを正確に把握することが重要となります。
その診査診断に役立つのが歯科用CTです。
平面のレントゲン画像では確認できない細部も、歯科用CTの立体画像なら詳細に把握できるため、より一層精密な診査診断、治療が可能になります。
ニッケルチタンファイルの使用
根管治療では、歯髄を除去するためにファイルと呼ばれる器具を使用します。
このファイルには、一般に用いられるステンレスファイルと、ニッケルチタンファイルがあります。
曲がりくねっている根管を掃除する際、ステンレスファイルでは硬すぎるために深部に入っていかずに、根管を傷つけてしまうことがありますが、ニッケルチタンファイルは超弾性の性質を持ち、曲がった根管に沿ってしっかり入っていきます。
根管を不必要に傷つけることなく、精密に歯髄の除去が可能です。
通院回数を減らすためのポイント
根管治療の通院回数を減らすためには、いくつかのポイントがあります。
予約間隔を守る
治療の間隔を開けすぎると、仮の蓋が劣化したり、細菌が再び侵入したりする可能性があります。
歯科医師が指定した通院間隔を守ることが大切です。
精密な設備を導入している歯科医院を選ぶ
マイクロスコープや歯科用CTなどの精密な設備を導入している歯科医院では、より正確な診断と治療が可能です。
これにより、治療の成功率が高まり、再治療のリスクを減らすことができます。
定期的な歯科検診を受ける
むし歯を早期に発見し、治療することで、根管治療が必要になるほど進行するのを防ぐことができます。
定期的な歯科検診を受けることが、結果的に通院回数を減らすことにつながります。

まとめ
根管治療の通院回数は、前歯の初回治療で2〜3回、奥歯の初回治療で3〜4回が目安です。
再治療の場合は、さらに回数が増える傾向にあります。
治療回数が変わる理由は、根管の形状や感染の程度、初回治療か再治療かなど、さまざまな要因があります。
通院回数を減らすためには、予約間隔を守ること、精密な設備を導入している歯科医院を選ぶこと、定期的な歯科検診を受けることが大切です。
当院では、マイクロスコープ、歯科用CT、ニッケルチタンファイルといった最新の設備を導入し、より精密な根管治療を提供しています。
根管治療は、重度のむし歯を抜歯することなく本来の歯の機能を取り戻す治療です。
精密で質の高い根管治療をめざす当院に是非一度ご相談ください。詳細はこちら: かわむら歯科 根幹治療
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著者情報
院長
河村 省吾

経歴
2005年3月福岡県立明善高等学校理数科 卒業2005年4月九州大学歯学部 入学2011年3月九州大学歯学部 卒業2011年4月九州大学病院歯科医師臨床研修2012年4月医療法人瑞帆会むらおか歯科医院 勤務2025年3月かわむら歯科 開院
